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立ち会いの評 ７
実験・創造工房 研究試演ⅩⅤ（１５回目)
２００９年３月３１日、１９時ー２１時３０分
ｄ－倉庫
監修 林英樹
[演目]
①『特殊部落一千年史』 原周、ドラマリーディング （２５分）
②『カップヌードルと欲望のままに』 江口和樹、モノプレイ （１５分）
③『無題』 酒井忠親、モノプレイ （１５分）
④『糸地獄糸地獄』 長谷川直哉、モノプレイ （１０分）
⑤『女肉ソーセージ』 藤井理代、モノプレイ （２０分）
⑥『糸地獄』 横山晃子・志村麻里子・矢部夏緒里、集団創作 （２５分）
⑦『生活者』 根岸佳南江・中内智子・佐藤多美子、集団創作 （２０分）
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①『特殊部落一千年史』
猪狩彰一
差別。集団心理。集団の中でいる限りは差別から免れることはない。集団の
外を受け付けない、閉じた世界。
②『カップヌードルと欲望のままに』
江口和樹
糸女たちをカップヌードルに見立てた時、女って何だろうと思ってしまった。見
ている分には滑稽だが、その分物言わぬカップヌードルの存在が大きくなって
いった。
③『無題』
酒井忠親
国旗に納豆を落としていく。納豆＝日本
爆弾？追い詰められる者たち。弱みに付け入る募集人。募集は従軍慰安
婦？納豆を食べた者は‥？
④『糸地獄地獄』
長谷川直哉
アキバ系の音楽から始まる。江口さんの作品でも思ったが、女に実体がな
い。空想の中の女と遊んでいる印象を受ける。
⑤『女肉ソーセージ』
藤井理代
生々しい。女のリアル。見ていられない、恐怖がある。この恐怖があるからこ
そ内へ閉じていくのだろうか？
⑦「金子文子」
根岸佳南江、中内智子、佐藤多美子
傘。風船。風船はポップなイメージだが、緊張感がある。今か今かと破裂しそ
うにいる。
傘は隔たりを感じる。見ている者、相手から隠れたいのか？何かを守りたい
のか？
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①見られず
②
娼家において、女の存在は３分で仕上がるカップヌードルと同じようなものな
のかもしれないと思うと何だか切なくなるけど、そんなものなのかもしれない。
使い捨てられる女を男からみた皮肉にも見える。
③
とても生々しく感じたのは何故だろう。納豆に母を連想したからだろうか。母の
執念の塊に見えて気持ち悪かった。拭っても拭っても取れない血縁のようにも
見えた。
国旗も、社会の現状もその前にはなんの意味も成さない、そんな気がした。
④
スタンスと空気感がやはり独特。何気なく見えるのに全て計算にも見えるから
不思議。
⑤
母である前に女でありたかった母はやがて世間に捨てられるのだろう。
女と母は同じ生き物ではないけど、元は１つなのだからいつまでも女という欲
求は誰しも持ちえているものだと思うとゾッとする。そんな事を思った。
⑥
断片で見る誰かの思い出。雨か、砂嵐か、音に遮られて視界がすっきりしな
い感じ。抑え切れない女は、やがて男を見つけ去ってゆく。
娼家の日常のようで、でもそのシュールな世界観はとても印象的。
⑦
傘が印象的だった。花束のようにも見えて餞のようにもとれた。
風船を膨らませて自ら潰す様は孕んだ子供を殺しているようで気持ち悪い。
ストレートな作品なだけに後半もっとぐっとくる何かがもうひとつほしい感じは
あった。
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