『ハムレット』

実験・創造工房 研究試演V
2004年3月3日(月)19時ー 
国立オリンピック記念青少年総合センター
監修 林英樹
 
モノプレイ
構成・演出・演技 根岸佳南江(taf)
引用テクスト 『ハムレット』(シェイクスピア作 松岡和子訳) 

A.GOTOH
物の使い方、今回もすごいと思った。どう考えてもその台本の世界には不釣 合いと思われる小道具、しかしきちっと根岸さんの世界に中でその小道具は 生かされていた、生きていた。
セリフの言い回し、「死→眠り」の変化が一番良かった。少しの間でその空間 にあった死が一瞬にして眠りの世界に移り変わっていた。
また、平然を装って芝居をすることが大変だと思う。始まりと終わりがごく普通 に演じているからこそ「ハムレット」が生きた部分も大きいのではないか。


中内 智子
セリフ、一言目で思わず笑ってしまいました。それまでのヒヨコとのやりとり、 「あるなぁ〜」と思いました。(どこから食べようか迷ってしまう自分です)。私の 座った席からは表情が見えず、残念でした。
ヒヨコからあとずさりしていき、「生死」について語る時、セリフを聞きながら、 自分も生死を考えさせられました。死―眠りのセリフがとても印象に残りまし た。
この設定でもっと見てみたくなりました。


佐藤 和紅
ペットボトル…かわいかったから。少なくとも彼女はあの中で一番ペットボトル に信用をおいていたように見えたから…。だから、何というか、ペットボトルに もっと寄りかかってみたらどうなんだろうと思った。
何だか…全然深い意味とかではなくて、感覚的に…。ペットボトルが一番印象 に残ったんだ。すごく愛らしいものに見えた。
彼女は冷えきっていたのに、ペットボトルのお茶は何だか、暖かそうだった。


藤井理代
<ひよこ、割烹着、袋>
おばちゃんじゃないですか!!意外性があって面白かった。オフィーリア、ひよ こ!? 食べちゃったね。本人(演者)の欲望、葛藤が、ハムレットと何かマッチし ていました。その分、短かったせいか、根岸さんの持つ深さがあまり前に出て こなかった様な…。少しもの足りなさを感じます。でも面白いと思うので、良か ったです。


入好 亜紀
セリフに入る前の行動と、セリフが合わないような気がするのに合っていたと 思います。あのまんじゅう(?)がオフィーリアだったのでしょうか…?食べるか 食べないかをハムレットのセリフに乗せたのですよね?そのアプローチがとて も新しく思いました。

T.OHYA
あのひよこがオフィーリアなのか…。だとしたら、それを口にしてしまったハム レットは…!? 全体的にスローというか、テンポが一緒なので、長くなると見飽 きてしまうかな?と思ったりもした。

T.OKUMURA
そうきたか!!と思った。まさか、ひよこまんじゅうとは。そして主婦姿とは。
構成がとてもおもしろかった。セリフの組立ても、初めて聞いたときも思ったけ れど、本当に面白いと思う。でも、私的には、なんでかわからないけれど、食 べる以外のことをして欲しかった。


K.KATOH
食べ物、しかもひよこの形をしたお菓子。これを見て食べるべきなのか、そう するべきではないのか、ここに「ハムレット」を使ったりするとおもしろいです ね。これからも色々なアイディアを期待しています。


K.KUWAHARA
衣裳で1ポイント!おばちゃんみたいなのにイイ声…。道具とセリフの関連は どうだったのしょうか?


A.SODA
前回に引き続き、日常を非日常に持ち込むやり方は、上手だと思いました。 ただ今回の場合は、ソレを生かしきれてないというか、もっと引き出せたと思う ので、今回は日常が少し強すぎたと思いました。
台詞回しは、また新しい側面を見られたようです。良かったです。


M.DAI
間の使い方がユニークだったかなと思います。なるほどなという演出、言い回 しだったかなと。現代とシンクロする演出は面白いですね、いつの時代も変わ らないもの。私的にあれは、毒入りまんじゅう(しかもオフィーリアからの)かな と思いました。


M.TASHIRO
こわかった。日常から一気に途切れるみたい。カテキン式、ひよこ、かっぽう ぎ、でハムレット。すごくこわかったです。


Y.NISHI
日常を非日常に持ち込むのが上手いなぁと思いました。ラストで「ひよこ」を食 べてしまうのが、予想通りの終わり方だったので、その点は、ちぎるだけと か、裏切ってほしかった。(半分だけ食べるとか。何か意味があったのだとし たら読みの甘い私のミスです、ごめんなさい)


T.HASEGAWA
現代とリンクする世界は個人的に好きですが、小屋芝居なら成り立つかもし れないですが、大きな舞台で演技するとなると、また構成も違ってくると思いま す。少々動きが少ない感じが若干演じる者としてもの足りなかった気がしまし た。


A.MASUNAGA
ミクロ単位を極められたら面白い気がします。部屋の中の設定だと思うので、 部屋の角が見えるような演技をしてみると、視線が散らなかったような気がし ます。←追加で、バミリテープとかで範囲を限定してしまうとかも、ありだなー …なんて。ひよこをもっと上手く使えたらなぁ…うーん…にわとりを出すとか?


N.YAMAUCHI
主婦とひよこまんじゅう。関係性が身近であって意外でした。世界、というより 情景が変わっているのに、そこまで違和感を感じる事はなかったです。


T.SAKAI
前回の「サロメ抄」とは、大きく趣を変えたハムレット。挑戦の意欲が感じられ た。その反面、根岸さんのもっている「狂」的部分が抑えられたように感じられ たことは残念。

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