『赤い人』 構成・演技 入好亜紀
実験・創造工房 研究試演]U(12回目)
2006年12月20日、19時ー
ザムザ阿佐谷
監修 林英樹
参考・テクスト引用:『少女七竈と可愛そうな七人の大人』(桜庭一樹著)
内容:知らない母に対する愛情、憧れ、憎悪、嫌悪。
知らない母に縛られる世界への苛立ち、喜び。
赤ん坊が何も知らない様に、知らない母を知る事の出来ない人間の葛藤。
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T.SAKAI
赤いハイヒールは大人への憧れ。自分が履いて悦になる、けれど自分はそう
なれない。そんな感覚が伝わりました。紐を持って首をくくってから壁伝いによ
うやく歩くのは、求めてやまないせつなさを感じます。
K.KUWAHARA
赤いクツがとっても印象的。てっきり「止まりたくても止まれない世界の流れ」と
リンクしているのかと思ったのですが、脱いでしまったので個人的にはちょっと
残念。『赤いクツ』で一作品創れそうな気がします。後半(クツを脱いでから)よ
りも、踊っているシーンの方が、いっぱい観る側に語りかけてくるんですよ。
匿名希望
突然爆発して転がるところ以外は、この作品が凄く好きだと思った。まず色が
綺麗で、シンプルの美しいところがよく出ていた。(白、黒、赤)小道具の使い
方とか、選び方も上手だと思った。きっと母親は口紅や赤い靴に象徴された
「赤い人」なんだろう。へその緒的なもので図形を作ったり、絡まってのた打ち
回る、うまいなあと思った。本人の意図するところではないと思うけれど、役者
の身体のフォルムや肌の綺麗さとかも妙に作品にマッチしていたと思う。
藤井理代
練り込みが甘い。もっと面白くなる作品かと思う。思いの一つ一つの大きさが
半端なくあっていはずだが「届かず」。やりたいことはわかるし伝わりやすい
が。思いっきりのよさは出ていたが、もっと出来る。それがおしい。
K.Y
「赤」って目を背けたくなるけどとっても触りたくなる色。
M.S
生んでくれた人の呼び方はたくさんあって、母、おかあさん、おふくろ、ママ、あ
の女、母親とか皆絶対的に還れる場所。許してくれる人って存在だと思う。感
謝しなきゃね。ハイヒールってエロいね。
M.M
黒い衣装で「赤い人」?靴は赤かったけど。それに首吊りの様なひも。なんか
テーマが重くてあんまり楽しくないですね。
H.TOMINAGA
初め知らない母(赤い靴)への感情の形が直接的過ぎた気がしたが、後半へ
向けて壊れていく様の強さが印象に残った。ただ段々と時が起つにつれて愛
情や憧れの念が消えて行き葛藤というよりは憎悪が強まっていった様に見え
てた。一つの感情に縛られ内に内にと自分の世界に入り込んでしまう現代人
が多いと思うが、どうしてその先に進め無いのだろうか。そこにずっといても救
いは無いというのに…。
H.SANO
男女の恋愛物に見えました…曲のせいかしら……徐々に靴の構造を知り、履
くに至るまでを恋愛に例えたのかと…。後半は「母」や「白いボール」とか単語
出てきたので、やわらかい=乳児とか色々考えましたが…
M.KOGURE
誰もいない舞台上に流れる一つのメロディ。曲に全てのモノを奪われた。曲に
よって彼女のウンメイは決まってしまった。アナタのカオとシグサとアカイクツ
が交わらない。それが魅力の一つ。それでもやっぱりクツを投げるのね。まる
で何処かのビデオクリップ。最後まで観たけれど、私には何が良くて悪いのか
解らないの。…泣いてもイイですか?
M.TAKEDA
繋ぎとめる。たぐり寄せる。見える、見えない。待つ。爆発。
A.MASUNAGA
靴を投げてからの静動の動きや見せ方は惹きこまれて面白い。パワーを武
器にするのであれば、始まりはもっとあっさりでも良いかと。「計算された動き」
を入れていくとメリハリがつくと思います。
I.WATANABE
赤いくつ。赤いくつに抱く憧れ思い…それはとても綺麗で一度でいいから触れ
てみたいもの、でもいざ触れると…。母親に対する憧れ思い、でもそれに反し
て苦しいくらいの憎しみ。もがいてもがいて得ることができない世界…。闇の
部分…。これ以上もがいたらどうなるのだろう。
(無記名)
最初は振られた女かと思いました。多分それは自分の今の心情を投影した
のに違いありません。すいません。幼い少女、可愛らしかった。憧れも憎しみ
も。
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