『野良』 構成・演技 根岸佳南江
実験・創造工房 研究試演]U(12回目)
2006年12月20日、19時ー 
ザムザ阿佐谷
監修 林英樹


題材:『遺品整理屋は見た』(吉田太一《キーパーズ代表取締役》著)、『人形の家』
内容:『遺品整理屋は見た!』『人形の家』を見て考えた作品。
様々な事情、状況、場所で死んだ人間。どんな人にも生きている限り「死」の時が確実に訪れる。
「死」の瞬間、一体どんな事を思うのか?

S.SAKAI
「あ〜あ果たしてない夢を追い続け〜」、夢破れた母親だと感じました。人生 が一転して転落してホームレスとして過ごす。それもなりたてでしょうか。自分 の体臭の臭さに戸惑いながらそこから過去の幸せのときにぱっととぶ展開の 速さ、さすがだなー、転落へ様々な事情をイメージする仕かけ(言葉)があと一 つ欲しいと思います。そうすることで誰もがそうなりうると言うイメージと重なっ ていくと思います。


K.KUWAHARA
これは面白い!!現代のノラ。可笑しいのに悲しい。ギャルとダンボールがこ れ程社会を映し出しているとは思いませんでした。何よりも居場所を求めてい るはずなのに漂流している。


藤井理代
メイク、似合ってるね。わかりやすいね。彼女の見たものは「あの頃はよかっ た」だろうか「こうなりたかった」だろうか。出来れば死ぬときは老衰がいいね。 あんまり中身が薄いので、インパクト重視だネ!


匿名希望
丁度、家を出る直前に見ていたnemeに出ていたゴミ屋敷のババアを思い出し た。彼女の若い頃を見ているようで、タイムリーでわくわくしてしまった。ババア がもし東京に今も(若いとき東京にいたかは知らんけど)いたとしたら、もっと しっくりきていたと思う。選曲に笑わしてもらいました。面白かったです。


K.Y
「私あなたのためなら…」誰のために生きているんでしょうかね僕達は…?コ ンクリートの砂漠にぽつんと孤島のように取り残されスポットが当たる、まわり はだだっ広い自分は小さい。でも「生きていかなければ…」緑色がとても温か く、最後に降りしきる雪が素敵でした。でもやっぱりシャッター音は気になりま した…


M.S
何も無いと思っても必ず何か持ってるもんで持ってるものに気付かないのが 一番成長できるときだと思った。


M.M
夢を追っていたが、いつしかホストクラブにはまってしまい、騙されて、路上生 活者になってしまった哀れな女性に見えました(笑)


H.TOMINAGA
まさに現代の「野良」がそこに居た。現代の象徴としてホームレスとギャルが 違和感無くそこに存在していた事に驚いた。
しかし何故だろうか。見終わった後に妙にスッキリしてしまって居た様な気がし た。構成、動き、どれも上手いと思った。が、何故だか物足りない様な思いに なったのが今回の作品だった。原因は自分にはよく分からなかったが、敢え て言えばそこに問題も答えもあったからだろうか。しかしそれは悪い事では無 くむしろ作品として上手く作られているとも思うのだが…。
それにしても毎回の根岸さんの趣向には驚かされる。モノプレイを数回見てい るとどうしてもその人の「色」がかなり前面に出てくるのだが彼女の場合、毎回 まったく違った切り口からの表現を見せてくれる。その知識と柔軟性が素直に 羨ましいと思う。


入好亜紀
ギャルがダンボールで、あちこちさまよって、しっくり来る場所を探している様 子が、死に場所を探しているような、死んだ人を探しているような、そんな風に 見えました。現在に対する、どうしようもない、どうすることもできないヤキモキ した気持ちを何処かにぶつけられずに還ってくる、自分に。
「臭い」と言った瞬間、すごく怖くなりました。この人は死んでいる、もしくは死 ぬんだという確信がその言葉にあったので。彼女が何を思ったのか、もう少し 考えたいです。


H.SANO
キレイにまとまって。でも『野良』の女性の人生はキレイにはまとまりきれず終 わって…。総括で申し訳ないのですが、モノプレイ全て女性でしたよね。「笑う」 「泣く」が印象に残りました。


M.KOGURE
PM8:30。何時もと違う貴方の風貌に一瞬の驚愕と拒絶。……あっ、ノラが居 た!(面白い。面白い。やばい。)私のこころの中の台詞。傍白が自然と生まれ た。裏切られました。勿論良い意味で。でも確実に仕留める所は仕留められ ている。最期に残るのは…「死」んだ子だ。彼女の上には月の光が照ってい た。…中原中也の詩を思い出しました。二度の『大都会』、全く違う歌に聴こえ ました。これは恐いです。
イメチェンは必要。自分と相反するモノを受け入れた時、人は変化して見え る。しかし場を持たせる基盤はやはり己自身にかかっているのだと感じた。


M.TAKEDA
社会。居心地。フィット感。憧れ。自由。


A.MASUDA
漫画喫茶で働いていた時にそこに住んでいた女の人がいたことを思い出しま した。


I.WATANABE
すげえ!!
いきなり宇宙空間へ飛び出してしまった。ある意味シャープ!!ギャルとダン ボール。凄く何かを物語っている感がある。うん。お持ち帰りします。


(無記名)
女って化粧でがらりと変わるんだなぁと驚きました。自分のことにひきつけて 考えるのはあまり良くはないのですけど、自分もいつ、どこで、野良というか、 人生間違えるかわからないなあ何てことを考えたりしまったり。


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